エンボス加工

 クレジットカード券面に印刷されているクレジットカード番号、氏名、有効期限はカードの表側が浮き出ているデコボコの加工がされていますが、これをエンボス加工といいます。またエンボス加工を行う機器はエンボッサーと呼ばれています。エンボス加工は銀行のキャッシュカードなどには施されていないクレジットカード特有の加工です。

 現在はCATによりクレジットカードのオーソリゼーションと売上伝票の作成が行われているのが一般的ですが、以前はインプリンターによる売上伝票の作成が一般的でした。その場合オーソリゼーションは電話で行うためセキュリティー面で不安があったことや、処理の迅速化、24時間対応などの理由からCAT端末機が普及した理由です。

 インプリンターはクレジットカードのエンボス加工されている部分を複写式のカード売上伝票に写し取る機器です。簡易印刷機ともいえるものですが、クレジットカードの上に乗せたカード伝票をローラーでこすることによって印刷する仕組みです。小型で持ち運びできるタイプもあり訪問先での利用も可能です。
 大型店舗では利用していることころはありませんが、CATが故障した場合のために備えていたり、小規模な店舗ではまだ利用されています。

 エンボッサーはクレジットカードを即日発行する支店には必ず置かれていた機器です。氏名や有効期限を加工するだけの生(なま)カードと呼ばれるカードを保管し、即日発行審査の承認が下りた分のカード番号・氏名・有効期限をエンボス加工して会員に手渡しするのです。こうすることで郵送にかかる日数を省くことができ、早ければ当日にはクレジットカードの利用が可能となります。
 即日発行を取り扱う支店は少なくなりましたが、リストラによる人員削減や業務の効率化による発行業務部署の集中化などが要因です。

 将来的にはエンボス加工自体なくなってしまう可能性もあります。一部エンボス加工なしのクレジットカードも発行されているようですが、インプリンターの需要があるうちは当面なくなることはないでしょう。全てのクレジットカードからエンボス加工が消えたときにはインプリンターの存在もなくなっているでしょう。

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