ハウスカード

 ハウスカードはカードを発行している企業の店舗でしか利用できないクレジットカードで、主に流通系やオイル系の企業などが関連のクレジットカード会社から発行しています。クレジットカード専業の会社に委託して発行する場合には代行カードという呼び方をしています。ハウスカードはアメリカのガソリンスタンドなどで発行していたもので、クレジットカードの起源ともいわれています。

 現在のハウスカードは親会社の売り上げをあげることを目的として発行され、親会社の店舗での割引やポイントサービスなどで会員を獲得しています。他の企業の店舗は一部提携先以外ではまったく利用できないため、その企業のお得意様向けのサービスを提供することで会員増やすことになります。そのためある程度規模の大きい企業でなければハウスカードを発行しても会員が獲得できないため、経費倒れとなってしまいます。

 伊勢丹アイカードは典型的なハウスカードでしたが、流通系自社カードとしては日本で初めてVISAと提携をしています。日本でVISAと提携しているのは不特定多数を対象として会員を集めているクレジットカード会社だけでしたので、一企業のハウスカードでVISAと提携するのは異例なことです。こういったクレジットカード会社とさらに提携してVISAを利用する提携カードのほうが経費面でのメリットが大きいからです。しかし、これは流通系ならではの大きなメリットを考えたことともいえます。

 提携カードでクレジットカードを発行した場合には顧客のデータはクレジットカード会社の管理の下にあります。しかし、直接VISAと提携することで顧客データは全て自社クレジットカード会社で管理することができるのです。提携カードでもクレジットカード会社の提供するデータが利用できますが、直接データを保有すればいつでも自由に顧客データを販売促進に利用できます。

 顧客にとってもVISAとの提携により海外利用も可能となるのでメリットは大きくなります。ハウスカードも今後こういった臨機応変な展開をしていくことで、競合との差別化を図っていく必要があるようです。

クレジットカード総合情報TOPクレジットカード用語解説:は行>ハウスカード
inserted by FC2 system