グレーゾーン金利

 出資法と利息制限法で定められている貸出金利の上限の間に存在する金利をグレーゾーン金利と呼んでいます。違法と適法の間にあるためその名がついていますが、貸金業法改正により2010年までにはこのグレーゾーン金利は完全に違法なものとなります。出資法の上限金利も利息制限法と同じになるからです。このグレーゾーン金利での貸付は消費者金融業者だけではなく、クレジットカード会社もキャッシング金利に適用していました。一部の業者だけではなく貸金業界全体がグレーゾーン金利を適用していたといっても過言ではありません。クレジットカード会社の中では唯一ジャックスだけが、貸金業法改正前からキャッシング金利は利息制限法の範囲内でした。

 多くの貸金業者がグレーゾーン金利を適用してきた理由のひとつには、利息制限法に罰則規定がないということがあります。上限を超えた超過金利は無効であるという規定があり、超過部分を元本に充当して過払いが生じた場合には返還請求できる権利は認められていました。しかし、出資法のように営業停止処分や罰金などの規定がなかったのです。だからといって法律違反をしてもいいという理由にはなりませんが、銀行などから資金を調達して貸出を行う貸金業者には高金利となったほかの理由もtあります。

 銀行からの借入れ資金の利息と、審査基準を低くしていることから貸倒の可能性が高いこと、お金を借りやすくするためのATMなどの設備投資を考えると、グレーゾーン金利でなければ利益がないということもあります。しかしそれらを考慮しても大手消費者金融業者の過去の利益を考えると儲けすぎとの批判もあります。中小の金融業者ではこういった理由は成り立つかもしれませんが、大手に関しては利益を追求しすぎた結果といえます。

 さらに貸金業者は過払い利息の返還請求を甘く見ていたということがあります。利息制限法の上限金利を越えて貸付しても、個人では裁判を申し立てしてまで返還請求は行わないだろうという考えです。しかし、実際には返還請求は毎年のように増え続け、大手クレジットカード会社が大幅な減益になるまで影響しています。金利を引き下げた現在の契約からは過払い利息の返還請求はありませんが、過去の貸付総額は莫大で返還請求の時効10年以内のものだけでも相当な金額になります。これらの請求が一段落するまでは貸金業界もまだ厳しい状況が続くでしょう。

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