名義貸しと名義冒用

 名義貸しは架空のクレジットカードに名前を貸すことで、名前を貸しただけでもクレジット会社空の請求を免れることはできません。場合によっては詐欺罪になることもある不正行為です。一方名義冒用は勝手に名前を使われるケースで、本人が知らないうちにクレジット契約やクレジットカードの申し込みが行われるものです。最近ではクレジットカードの申し込みには身分証明書が必要になったため、以前ほど名義冒用が行われるケースは少なくなっています。

 名義貸しはクレジット加盟店に頼まれることが多い不正行為です。経営不振となったクレジット加盟店が架空のクレジット契約を組んでクレジット会社から加盟店支払いを受けることを「空売り」と呼んでいます。このとき名義を借りてクレジット契約を組みますが、加盟店の古くからの顧客や、知人、利害関係がある人物などを対象にして名義を借りるのです。架空クレジットの支払いは加盟店が行いますが、経営が悪化しているため最終的には支払いが遅延して発覚します。

 空売りはそもそもクレジットカードの会員手数料のほかに加盟店手数料も支払って運転資金を借りるようなものなので、高金利の融資を受けるのと同じ状態です。名義貸しをしても加盟店が支払えなくなればクレジットの名義人に支払義務があるため請求を拒否することはできません。加盟店が一度も支払わない場合には詐欺罪に問われることもあるので共犯者となってしまいます。名義を貸して得をすることはひとつもないので、頼まれても名義貸しはしないようにしましょう。

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