ショッピング枠の現金化
インターネット上でショッピング枠の現金化をうたい文句にしたサイトが多くなっています。キャッシング利用枠がいっぱいになって、借入れができないクレジットカード会員を対象にしたサイトです。このしくみはクレジットカードで指定した商品を購入させて、それを買い戻すことで現金化するのですが明らかにカード会員規約違反となるため行ってはいけない行為となります。買戻し率は90％以上をうたい文句にしていますが、ほとんどの場合、別途取扱手数料の名目でお金を取られるので実質的には半分戻ればいいほうでしょう。結果的にクレジットカードの残高が増えるだけで、メリットがないどころかデメリットのほうが大きいのです。
クレジットカードで購入した商品の所有権はクレジットカード会社にあります。返済が完了して初めてクレジットカード会員に所有権が移ります。それまでは商品を売却することはできないのです。もし売却してしまうと第三者の所有物を勝手に売ったことになり、支払う意思がなければ詐欺行為となります。そこまでいかなくてもクレジットカード会員規約には違反するので、会員お資格停止とクレジットカードの返却は免れません。
一方で取り扱いした業者側を摘発することは難しいようです。商品を購入して代金を支払っていれば正当な売買契約で、金額については民事の問題なので警察の管轄外となります。業者はクレジットカード会員規約違反を勧めることになりますが、会員規約は法律ではなく単なる当事者同士の取り決めなので、これを罰する法律はありません。クレジットカード会員が支払わなければ詐欺の共犯になるかもしれませんが、それも支払うと思っていたといえばそれまでです。
このようにショッピング枠の現金化はクレジットカード会員にとってはデメリットだらけで利用するメリットはひとつもありません。業者を摘発することは難しいので、クレジットカード会員が利用しないという自覚が必要です。キャッシング利用枠がなくなっても借入れが必要な状況は、多重債務となっている場合がほとんどです。弁護士に相談することが最良の策でしょう。
クレジットカード総合情報TOP＞クレジットカード用語解説：さ行＞ショッピング枠の現金化