割賦販売法改正の影響

 割賦販売法の改正は平成20年6月国会を通過し6月18日には交付されているためそれから1年6ヶ月以内には施行されることになります。指定信用情報機関の設置などはさらに1年後になりますが、平成21年12月17日までにはほとんどが施行されます。平成21年1月30日には経済産業省の説明会において具体的な実施内容が公開されています。その中でクレジットカード審査に関する細かい規定も明らかになっているので、それを元に今後のクレジットカード審査に与える影響を考察してみました。

調査項目と調査方法

年収・・・申込者の自己申告と推定によって判断する。ただし、主婦の場合は世帯収入を申告させ、学生・老親の場合は世帯主の同意が必要で、世帯主から世帯収入を申告させる必要がある。さらに学生・老親の場合はカード有効期間内有効とあるため、カード更新時には再調査が必要と思われる。
預貯金・・・必要な場合のみ申告させる
クレジット債務・・・指定信用情報機関および自社の支払状況を確認する。主婦・学生・老親は世帯主の債務を申告させる。
借入の状況・・・自社の借入状況を確認する。住宅ローンがある場合は生活維持費を持ち家なしとして判断する。

年間生活維持費

  4人世帯 3人世帯 2人世帯 1人世帯
持ち家あり 200万円 169万円 136万円 90万円
持ち家なし 240万円 209万円 177万円 116万円

 学生・老親の場合は世帯主と同居している場合生活維持費はないとして審査することができます。また共働きの配偶者にカードを発行する場合や世帯主でも配偶者の年収が103万円を超える場合は生活維持費を減額して審査することができます。

まとめ

 クレジットカード審査を行う場合は生活維持費を確保するため、年収も考慮して審査することが義務付けられています。しかし、カード利用限度額が30万円以下の場合は過剰な債務や遅延状況を確認するだけの審査でも認められています。ただし、自社でクレジットカード利用額が50万円、他社を含めて100万円を超える場合には厳格な審査をする必要があります。海外旅行、引っ越し、冠婚葬祭など一時的な増枠については与信審査なしで増枠することができます。(2ヶ月以内2倍まで)また、カード更新の場合は残高が5万円未満の場合は審査なしで、5万円以上の場合は簡易な審査が必要です。

 法改正の内容を考えるとクレジットカード利用枠は年収から年間生活維持費を差し引いた金額が目安となりそうです。全くの新規申込であれば利用枠は30万円以下となるため、それほど現在のクレジットカード審査と変わることはないでしょう。しかし、すでにクレジットカードを複数持っていて追加申込をする場合には、年収から上記の生活維持費とすでに持っているクレジットカードの利用枠を差し引いて考える必要があります。もし余剰がない場合やマイナスになるようであれば審査通過は難しくなるでしょう。今の内に不要なクレジットカードは解約することをおすすめします。

 クレジットカード会社もこれから審査基準を改定するという作業があるため、すぐに審査基準が変わることはありませんが、貸金業法改正後の対応を考えると前倒しで実施する可能性は高いでしょう。年内よりも早い段階で実施される可能性もあります。

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