クレジットカードの誕生

ダイナースクラブの創始者であるフランク・マクナマラがレストランで財布を忘れたことから考え出されたシステムがクレジットカードの起源とされていますが、これはダイナースクラブの広報担当が考えたフィクションであったことが明らかになっています。しかし、財布を持っていなくてもその人の支払い能力を証明するシステムという考えが根源にあるのは間違いないようです。そのためアメリカではクレジットカードがステータスを表す象徴として取り扱われているのでしょう。クレジットカードを持てないというのは信用がないからだという考え方です。

 同じようなシステムは以前からあったのですが、今で言うところのハウスカードのようなシステムで、カードを発行した会社の経営する店舗でしか利用できないものです。主にガソリンスタンドや百貨店でハウスカードは発行されていました。
 これを業種に関係なく利用できるようなシステムを開発したのが、ダイナースクラブということになります。当時は現在のプラスティックカードではなく、サインのある小冊子のようなものであったようです。
  ATMが普及する10数年前まで、キャッシングブックというキャッシング専用の冊子が発行されていたことを考えると、クレジットカードのシステムは基本的に手作業に負うところが大きいようです。現在のようなプラスティック製のクレジットカードはダイナースクラブが日本に進出する際に開発したものであるといわれています。つまり日本ダイナースクラブが開発してから、全世界に広まったということです。当時は日本がクレジットカードの最先端であったということかもしれません。

 現在のクレジットカードは磁気ストライプやICチップにその情報が記録されています。しかし磁気ストライプでは記録できる容量が少なく、セキュリティ面でも不安があります。磁気情報は盗まれやすく、磁気情報だけを別のカードに写して悪用するスキミングなどのカード犯罪が多発しています。CATなどでチェックを行う場合にはクレジットカード本体と磁気の内容が違っていても利用できてしまうという手作業の時代にはありえない悪用が横行しています。クレジットカードのシステムは進歩しても人間の目で確かめるという基本がなければ、犯罪を防ぐことはできないようです。

 ICクレジットカードはさらに進歩してセキュリティー面でも安全ですが、ICチップの読み取りができる端末機が余り普及していないため、ICカードの普及も進んでいません。しかしいくら技術が進歩してもクレジットカードの管理をカード会員自身がしっかりすることが犯罪防止には最大の効果を発揮します。

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